さつまいも。
たくさん食べるけど品種の違いがちゃんと分かっているのかと聞かれると、カンペなしでは答えられないかも。
安納芋は分かる。だから安納芋かそれ以外か、みたいなローランド状態。
あ、紫芋もさすがに分かる。
というわけで今回はさつまいもの品種ごとの特徴を調べてまとめました。
さつまいもの品種と特徴
日本で生産量の多いさつまいも15品種について、調理特性や食感をまとめました。
| 品種名 | 調理適性 | 食感 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 黄金千貫 (コガネセンガン) | 焼酎原料、天ぷら、煮物など加工向け | 粉質でほくほく | 焼酎原料として重要 |
| 紅あずま (ベニアズマ) | 焼き芋、大学いも、天ぷら | 粉質でほくほく | スタンダードな品種 |
| 紅はるか (ベニハルカ) | 焼き芋、スイーツ向き | しっとりねっとり | 近年人気上昇中の品種 |
| 紅さつま (ベニサツマ) | 焼き芋、天ぷら、煮物 | 中間的な食感 | 家庭用から業務用まで幅広く活用 |
| 高系14号 (こうけい14ごう) | 焼き芋、天ぷら、菓子加工 | やや粉質 | 日本のサツマイモ栽培の基盤品種 |
| 耐農力 (たいのうりょく) | 加工・業務用など幅広く利用可 | やや粉質 | 栽培しやすいが市場流通は限定的 |
| なると金時 (鳴門金時) | 焼き芋、大学いも、天ぷら | 繊細なほくほく | 砂地栽培による上品な甘さ |
| シルクスイート | 焼き芋、スイートポテト | なめらか | 名の通り滑らかな食感が特徴 |
| 西ゆたか (にしゆたか) | 煮物、天ぷら | やや粉質 | 地域限定流通が中心 |
| 紅こがね (ベニコガネ) | 焼き芋、大学いも、天ぷら | ほくほく | 栽培しやすく人気がある |
| 玉茜 (たまあかね) | 焼き芋、蒸し芋、天ぷら | 中間的な食感 | 流通は現在限定的 |
| クイックスイート | レンジ加熱、焼き芋 | しっとり | 時短調理に適した新品種 |
| 玉豊 (たまゆたか) | 天ぷら、煮物、加工用 | やや粉質 | 長年の主力品種 |
| 安納芋 (あんのういも) | 焼き芋、スイーツ加工 | とろっとねっとり | オレンジ色の果肉で人気 |
| パープルスイートロード | スイーツ、菓子パン、焼き芋 | ややほくほく | アントシアニンが豊富で色が特徴 |
黄金千貫(コガネセンガン)
主な産地と歴史
- 主産地:鹿児島県を中心とした南九州。
鹿児島県で古くから栽培されていた品種を選抜し、焼酎専用の原料として普及。
サツマイモは九州・鹿児島に深く根付いた作物であり、「黄金千貫」は芋焼酎産業を支える中心品種として長年重宝されてきた。
この品種の普及により、鹿児島焼酎の品質安定にも大きく貢献している。
特徴
- 味:甘みは控えめで、さっぱりとした風味。
- 食感:粉質で、ほくほく感もある。
- 外皮・果肉:皮は薄い黄色、果肉はクリーム色~淡い黄色。
- 栄養成分:デンプン質が比較的豊富で、糖度は低め。アルコール発酵に適したバランスを持ち、焼酎の原料として最適。
- 調理適性:主に芋焼酎の原料として使用されるが、家庭料理では天ぷらや煮物など、甘さを強調しない料理にも適している。
- 貯蔵性:傷みにくく、長期保管に適している。焼酎メーカーが常温での長期貯蔵を行いやすい点も特徴。
生鮮流通は少ないが、焼酎業界にとっては欠かせない品種。
一般向けのブランド化はされていないが、鹿児島県内では生鮮サツマイモとしても流通している。
↓黄金千貫が原料に使われている芋焼酎、黒霧島。大好きで常備している。
紅あずま(ベニアズマ)
主な産地と歴史
- 主産地:関東地方(茨城・千葉・埼玉)を中心に全国で栽培。
農林水産省の関東農業試験場(旧)で選抜・育成され、昭和後期から普及し始める。
関東地方の焼き芋用の代表品種として定着した。
一般家庭でも最も馴染み深いさつまいもの一つ。
特徴
- 味:程よい甘さで、くどくない。
- 食感:ほくほく系で、加熱すると粉質になりやすい。
- 外皮・果肉:皮は赤紫、果肉は淡黄色。
- 栄養成分:ビタミンC・食物繊維が豊富で、加熱すると糖度が上昇。
- 調理適性:焼き芋、天ぷら、大学いも、煮物など幅広く活用できる。
- 貯蔵性:収穫後1~2か月貯蔵することで甘味が増し、長期保存も可能。
全国的に流通しやすく、スーパーで手に入りやすい。
地域ブランド化が一部で行われている(例:茨城の「紅あずま」)。
紅はるか(ベニハルカ)
主な産地と歴史
- 主産地:茨城県が中心だが、九州や四国でも急拡大。
2007年に九州沖縄農業研究センターで開発。
焼き芋ブームの中で「安納芋に負けない甘い芋」として注目を集め、急速に普及した。
消費者の「より甘いさつまいも嗜好」が後押しし、市場を席巻。
特徴
- 味:非常に高い糖度(焼くと40度を超える場合も)。
- 食感:しっとり系で、やや粘度が高い。
- 外皮・果肉:皮は赤紫で光沢があり、果肉は鮮やかな黄色。
- 栄養成分:糖度が高く、ビタミンC・E、食物繊維も豊富。
- 調理適性:焼き芋、スイーツ、大学いもなど甘さを生かした料理に最適。
- 貯蔵性:1~2か月貯蔵することで甘みが増し、翌春まで品質を維持。
「紅はるか」のブランド展開が全国的に進行中。
スーパーでも高値で流通し、ギフト用にも人気。
紅さつま(ベニサツマ)
主な産地と歴史
- 主産地:鹿児島県をはじめ九州一円。
高系14号系統から選抜され、九州地方の温暖な気候に適応し家庭用・業務用問わず幅広く普及。
「紅あずま」に並ぶ赤皮さつまいもの代表品種として定着した。
特徴
- 味:やや強めの甘み。
- 食感:ほくほくとしっとりの中間で、バランスが良い。
- 外皮・果肉:皮は鮮やかな紅色、果肉は黄色。
- 栄養成分:ビタミンC・食物繊維が豊富で、糖度は中~やや高め。
- 調理適性:焼き芋、天ぷら、煮物、炒め物など、幅広い調理に対応。
- 貯蔵性:収穫後に寝かせると甘みが増し、保存性も高い。
九州各地でブランド化されているが、全国区の知名度は「紅あずま」ほどではない。
高系14号(コウケイ14ゴウ)
主な産地と歴史
- 主産地:鹿児島県をはじめ全国で栽培。
鹿児島県高岡農事試験場で戦後に育成。戦後の食糧増産を目的に開発され、日本のさつまいも史において革命的な品種とされる。
「なると金時」や「紅さつま」など、多くの派生品種の基礎となった。
特徴
- 味:甘みは中程度で、クセがない。
- 食感:ややほくほく系で、粉質になりすぎない。
- 外皮・果肉:皮は赤紫色、果肉は淡黄色。
- 栄養成分:でんぷん量が多く、加工品や焼酎の原料としても活用される。
- 調理適性:焼き芋、天ぷら、菓子加工など汎用性が高い。
- 貯蔵性:保存性が高く、適切な条件下で甘みが増す。
「高系14号」という名前での生鮮流通は少なく、派生品種(なると金時など)が有名。
なると金時(ナルトキントキ)
主な産地と歴史
- 主産地:徳島県鳴門市および近隣(大毛島などの砂地)。
高系14号を鳴門の砂地で栽培・選抜。鳴門の砂地が生み出す独特の食感と甘みで、昭和中期からブランド化が進行した。
徳島県の特産品として、観光資源にもなっている。
特徴
- 味:甘みが強く、上品な風味。
- 食感:ほくほく寄りで、繊維が細かく口当たりが良い。
- 外皮・果肉:皮は鮮やかな赤紫、果肉は黄色。
- 栄養成分:でんぷん質がしっかりあり、食物繊維も豊富。
- 調理適性:焼き芋、大学いも、天ぷらなどほくほく食感を活かす料理に最適。
- 貯蔵性:鳴門地域では砂地貯蔵が行われ、甘みが増す。
全国的にブランド価値が高く、高級品として流通。
シルクスイート
主な産地と歴史
- 主産地:茨城県を中心に全国で栽培。
民間種苗会社(カネコ種苗)が開発。
「シルク(絹)のような滑らかさ」を目指して開発され、なめらかな食感のさつまいもとして注目を集める。
近年の「しっとり系・高糖度」ブームにより、人気が急上昇した。
特徴
- 味:しっかりとした甘みがある。
- 食感:クリーミーで、とてもなめらか。
- 外皮・果肉:皮は濃い紅色、果肉はクリームがかった黄色。
- 栄養成分:ビタミンC・食物繊維を多く含み、しっとり感を生むデンプン質が特徴。
- 調理適性:焼き芋、スイートポテト、ペーストなどスイーツに特に向く。
- 貯蔵性:適切に貯蔵すれば翌春まで甘みが持続。
スーパー・直売所・通販などで他の品種よりすこし高値で取引されることが多い。
クイックスイート
主な産地と歴史
- 主産地:関東や九州などの一部農家で栽培。
短時間加熱でも甘くなる特性を持たせるために開発された品種。
現代の「時短調理」ニーズに応えるため、短時間加熱でも甘さが引き立つよう改良され、近年の電子レンジ調理ブームとも相性が良く、徐々に市場での認知度を上げている。
特徴
- 味:加熱時間が短くても甘みがしっかり感じられる。
- 食感:しっとりしすぎず、ホクホクしすぎない中間的な食感。
- 外皮・果肉:皮は赤紫系、果肉は淡い黄色。
- 栄養成分:一般的なさつまいもと同様にビタミンC・食物繊維を含む。
- 調理適性:電子レンジ加熱、短時間オーブン焼き、焼き芋など時短調理に向く。
- 貯蔵性:標準的な貯蔵性を持ち、寝かせることで甘みがさらに増す。
「短時間加熱でも甘い」という特徴が最大の強みで、今後の市場拡大が期待される。
まだ流通量は少なく、主に産直市場や通販での販売が中心。
安納芋(アンノウイモ)
主な産地と歴史
- 主産地:鹿児島県種子島。
種子島に伝わる在来種を選抜・育成。
平成以降、「蜜芋」としてのブランド戦略が成功し、全国的に人気が拡大した。
焼き芋ブームの火付け役となり、高糖度のさつまいもの代表格に。
特徴
- 味:非常に高い糖度を持ち、焼くと蜜のような甘さが引き立つ。
- 食感:ねっとりとした濃厚な口当たりで、しっとり感が強い。
- 外皮・果肉:皮は赤紫色(安納紅)または黄色(安納こがね)、果肉はオレンジ色。
- 栄養成分:βカロテンが豊富で、麦芽糖含有量が多い。
- 調理適性:焼き芋向き。加熱するとさらに糖度が増し、スイーツのような味わいに。
- 貯蔵性:適切に貯蔵すると、さらに甘みが増すが、水分が多いため傷みやすい。
「蜜芋」としてのブランド価値が高く、焼き芋の定番品種。
パープルスイートロード(パープルスイートロード)
主な産地と歴史
- 主産地:九州沖縄や西日本を中心に全国で栽培。
九州沖縄農業研究センターが育成。
紫芋ブームの中で、鮮やかな紫色と甘みを持つ品種として開発された。
沖縄や鹿児島では、伝統的に紫芋を用いた和菓子やスイーツ文化が根付いている。
特徴
- 味:甘みは中程度で、紫芋特有の風味がある。
- 食感:ややほくほく寄り。しっとりしすぎず適度な粉質。
- 外皮・果肉:皮・果肉ともに鮮やかな紫色。
- 栄養成分:アントシアニンが豊富で、抗酸化作用が期待される。
- 調理適性:和菓子、洋菓子、焼き芋など、色を活かした料理や加工品に最適。
- 貯蔵性:長期貯蔵が可能で、適切な温度管理が必要。
近年紫芋の需要が高まり、加工業者からの評価が高い。
徐々に認知度が上昇中で、家庭菜園での栽培も増えている。
食感と味の比較、用途別の選び方

食感の違い:ほくほく or しっとり
- ほくほく系(加熱すると粉質になりやすく、軽い食感):紅あずま、なると金時、紅こがね、高系14号
- しっとり系(ねっとりとした口当たりで、甘みが際立つ):紅はるか、安納芋、シルクスイート
用途別の選び方
- 色を活かす(見た目が鮮やかで、料理の彩りに最適):パープルスイートロード(紫色)、安納芋(オレンジ色)
- 焼き芋に最適(甘みが引き立ち、ねっとり感を活かせる):紅はるか、シルクスイート、安納芋
- 天ぷら・煮物に最適(油や煮汁との相性が良い):紅あずま、紅さつま、玉豊
- スイーツやペースト向き(クリーミーな食感で加工しやすい):安納芋、シルクスイート、パープルスイートロード
さつまいもを使ったおすすめの料理はこちら。
あとは冬はやっぱり焼き芋。
友人がこの焼き芋器を使っていました。
うちではこのキャプテンスタッグの鍋(ダッチオーブン)を灯油ストーブの上に置いて焼き芋をつくっています。




