すいかの皮の漬物

子どものころ、母方の祖父がよく作っていた(記憶が正しければ)すいかの皮の漬物。
みんながかぶりついたすいかの、残った白い部分を削いで、皮だけを使って作っていた覚えがある。

記憶には自信があるが、これに関してはうろ覚えだ。
でも、すいかを見るといつも「おじいちゃんのすいかの皮の漬物」を思い出す。

感動するほどおいしいものではないし、一度にたくさん食べたいものでもない。
たぶん、食べ終わったすいかの皮を再利用して料理をつくるという工程がおもしろく、「おじいちゃんのクリエイティビティやオリジナリティ」を垣間見た気になり、孫としては嬉しかったのだと思う。

実際に「おじいちゃんのクリエイティビティやオリジナリティ」だったかどうかは議論の余地がある。
すいかに限らず、ウリ科の野菜や野菜の皮は往々にして漬物にされるというのが相場だ。

日本では、縄文時代にはすでに野菜の皮の塩漬けが行われていたという記録があると、農林水産省のHPに書いてあった。
すいかのように中身をおいしく食べて皮を捨てる系の作物の皮を、漬物にしたり乾燥させたりする取り組みは、世界各国の民間レベルでよく見られることだと思う。

調べてみると、海外ではすいかの皮をジャムにしたり、ピクルスにする保存方法があるようだし、日本でも山形県に「すいかのぺそら漬け(ぺちょら漬け)」という、未熟で摘果したすいかを丸ごと漬物にする郷土料理があるみたいだ。

ところで僕は、基本的にはフルーツ全般が大好きなのだが、すいかはそれほどでもなかった。 だから大人になってからも自分ですいかを買うことはほとんどなく、食べるときも果肉のおいしさよりも「皮の漬物をつくってみたいな」の方に自然と意識が向いていた。

そんな中去年の夏、イベントで「やまもと農園」のすいかを食べ、「すいかってこんなにおいしかったっけ?」とすっかり好きになった。 一玉買って帰り、子どもとすぐに食べたり、comedieのランチにも使った(すいかのガスパチョだったかな)。

そして、皮である。
ようやくすいかの皮が手元にやってきた。

これで念願のすいかの皮の漬物がつくれる。
去年、今年と何度か作り直し、「おじいちゃんの完全再現」ではなく、自分なりの仕上がりにした。

そしていま、こうしてレシピの記事にしてみて、すいかの皮と夏の記憶を巡るちいさな旅はひとまず終わりを迎えた。

材料/レシピ

  • すいかの皮
  • 砂糖
  • すりごま:適量
  • 米酢:少々
  • 醤油:少々

つくりかた

  1. すいかの皮を千切りにする。赤い果肉の部分も少し残す
  2. 塩と砂糖でしばらく(一晩)揉み込む
  3. 軽く洗って水気を切る
  4. 米酢、すりごま、醤油を加え、すり鉢とすりこ木で叩きながら和える

ポイント

  • すいかの皮を用意するときに赤い部分を残すようにカットすると色がきれいで甘みが増すが、水分も増えるのでお好みで
  • 塩と砂糖は少なめにして洗わずに次の工程に進んでも良い。急いでいるならさっと塩茹でしても良いかもしれない
  • すり鉢とすりこ木を使わない場合はポリ袋などで揉み込めばOK
  • 普段は捨てている皮なのであくまでも気軽に、エコを楽しむくらいの気持ちでつくるのがちょうど良い

ちなみにごまは「オニザキのつきごま」がおすすめ。うちは実家にいたときからずっとこれ。

上部へスクロール